【前回記事を読む】今までで一番ひどく殴られ蹴られ、髪の毛を持って家中引きずり回された日、発作的にアレルギーの薬を一瓶全部飲んでしまい…
遠い夢の向こうのママ 毒親の虐待と夫のDVを越えて
診察中、ちょっとしたハプニングがあった。
診察室で(夫は入れない)、私は夫を指さし「あの人に頭を殴られて気絶したんです」と嘘を言ったようだった。
そんな事実はないが、それまで4年のひどい暴力へのささやかな仕返しがしたかったのだろう。
看護婦さん達は怒って夫を詰問しに行ったようだった。
それも、私には記憶がない。
病室では薬で意識が混濁していたため、そこがどこなのかも私はわからない状態だった。
家にいるはずなのに、なぜカーテンが変わったのだろうと思っていた。
ナースステーションの電話が鳴る度に電話に出ようとして「ここは病院よ」と寝かされた。
ベッドの側には彼と義母がいた。
ずっと話の辻褄も合わない、脈絡もない話をズルズル続け、しまいにはなにが言いたかったのかわからなくなっていた。
このまま思考回路が元に戻らなかったらどうなるのかと恐怖を覚えた。
私は一生このまま頭がおかしいままなのか。
それは数日で元に戻ったので、一安心だった。
薬を大量に飲むと脳細胞の一部が死滅し、そういった症状が出るそうだ。
そしてトイレに行きたくなり、点滴を持って彼の付き添いで行ったが、意識朦朧としている私は点滴の管が「これなぁに?」と不思議で引きちぎってしまい、血が逆流して、点滴の管から血が噴水のように逆流して、パジャマも廊下も血まみれになって夫は慌てて看護婦さんを呼びに走り回っていたようだった。
それでもわたしは状況が把握できてなかった。
その後看護婦さんから点滴を引きちぎることができないように厳重にテープで止められた。
彼がいなくなった時に、義母に彼の暴力の話を初めて打ち明けたが「あらまぁ」と言うだけだった。
私が意識朦朧としている間に、彼がママにも連絡したようだが、彼は「くだらない喧嘩でかおるが薬を飲むなんて馬鹿な真似をした」と、私をバカな痴話喧嘩にキレた悪者にしていたらしく、ママは病室のドアを開けるなり「なにバカなことしてるの!! お前はバカか!!!」と私ひとりを悪者にし、怒鳴り散らしていた。
普通、自殺未遂のような真似をした子供に本気で怒鳴り散らす親がいるだろうか。
なぜ、そうなったのかを、向き合って聞いたり、心配したりするのではないだろうか。
もちろんママは夫のDVのことなんか全く知らない。
ママは私の話など一切聞いてもくれなかった。
普通、殴られたアザなどは翌日に出るものだが、殴られ方がひどく、病院のベッドにいる時には既に私の身体にはアザが沢山出ていたが、まさか彼が私に暴力を振るっていると夢にも思っていないママはそんなアザに気づきもしなかった。