そしてその夏休み中、新田のお母さんからママ宛に手紙が届いた。

中には戸籍謄本が入っていて、私が新田姓から佐藤姓に変わったことが記載されていた。

そしてママ宛の短い手紙と、私宛の長い手紙が入っていた。

恐る恐る私宛の手紙を開けると、それまでの意地悪な態度が嘘のような優しい内容が書いてあった。

私は嬉しくなった。

と同時に悟った。

私はこれだけひどい仕打ちを受けても、新田のお母さんのことが好きで、それと同時にお母さんから好かれていたと信じたくて、私が嫌われていたなどと思いたくなかったのだ。

私は今ならお母さんと話せそうだと思って長崎に電話してみた。

お母さんが出た。

「もしもし、お母さん?」

「は?」

「もしもし、お母さん、私よ」

「はぁ? 誰?」

「もしもし…お母さん…怒ってるの…? 泣」

「フン、別に怒ってないけど」

最初から私からの電話だとわかっていて、知らないふりをされたのだった。

…もう二度と騙されない。

もう二度と新田のお母さんは信じない。

そう心に誓った。

 

▶この話の続きを読む
生みの親なら無償の愛をくれると信じていた。家中に飾られていた私とママの写真は、いつのまにか飼い犬の写真に変わっていた。

👉『遠い夢の向こうのママ』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】目を閉じると、柔らかくて温かいキス…膝が折れそうになった私を彼が支えてくれて「ずっと、こうしたかった」と囁かれ…

 

ゴールドライフオンラインは、表現者を応援するウェブメディアです。
生身の人間が紡ぐリアルな言葉だからこそ、読者の心を揺さぶる力があると確信しています。
あなたも、"表現者"になってみませんか?
ゴールドライフオンライン編集部:glo_henshu@gentosha.co.jp