2000年以降に開発された細胞障害性抗がん薬は、新しい葉酸拮抗剤のペメトレキセド、新しいアントラサイクリン系抗がん薬で国産のアムルビシンぐらいで、20世紀の積み残しとも言える。
細胞障害性抗がん薬の時代において、少し異なっていたのは抗がん性ホルモン治療薬である。乳がんや前立腺がんのようにホルモンががん細胞の増殖に関わっている腫瘍(ホルモン依存性腫瘍)に対してホルモンの分泌を抑制してがん細胞の増殖を抑える薬のことである。
最初のホルモン製剤は、乳がんに対する抗エストロゲン剤のタモキシフェンで1963年に英国で開発され、わが国で承認されたのは18年後の1981年である。
1990年~2000年代初頭には、閉経後の乳がんに対するアロマターゼ阻害剤(アロマシン、エキセメスタン、レトロゾール)、性腺刺激ホルモン放出ホルモン作動薬(LH-RH作動薬)のリュープリンやゴセレリンが開発されている。
LH-RH作動薬は下垂体における黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)の生成を抑制することで卵巣からのエストロゲンの生成を抑える薬剤である。
前立腺がんに対するホルモン剤は、乳がんにも用いているLHRH作動薬、男性ホルモンのアンドロゲンを抑制する抗アンドロゲン薬の酢酸クロルマジノン(商品名プロスタット)、ビカルタミド(商品名カソデックス)、フルタミド(商品名オダイン)がある。