計算機のハードウェア(以下「ハード」)はうつわ(器)であって、どういう仕事をさせるかはソフトウェア(以下「ソフト」)が決めていくのがコンピューターである。
人間の頭に例えれば、頭や脳みそは同じような形をしていても、思考や行動はみな違うのと同じように考えられる。
それまでの自動機械はアナログ式であって、すべてその機械のハードと一体になって作業を自動化するもので、人間がこれを使いこなすのが基本であった。
これに対し、デジタル式にすることによって、コンピューターのハードは同じでも、ソフトウェアによっていかようにも違った機能や応用ができる。
また、人の判断や学習のようなことも入れることができて、人が介入しないで全自動化できる素質があった。これが最近のAIにつながっている。
このデジタルの特質を使って、産業界で最初に全自動化に取り組んだのが、火力発電所の運転であった。
日本の高度成長の中で、電力不足は深刻であり、発電所をどんどん増設したいが、発電所の運転員の養成には10年はかかるともいわれていて、運転員の養成が間に合わず、全自動化がどうしても必要であった。
しかし、全自動化のためには高度な判断や操作が必要で、蒸気の動特性も温度などにより大きく、また時々刻々変わることなどから、どうしてもデジタルにしなければならなかった。
前述したように世界の先進国で、この取り組みを始めていたが、中でもアメリカと日本が最も進んでいた。
そして東芝は、このコンピューターによる火力発電所のデジタル全自動運転を世界で初めて成功させ、そのソフトウエアは、30年後の2008年、米国カーネギーメロン大学ソフトウエア工学研究所のソフトウエア・プロダクトラインの殿堂入りをするまでになった。
ここでは、日本のデジタルの実力をまず紹介し、今、世界のデジタル後進国になってしまった日本のデジタルが、どうしたら再び世界のトップになれるのかを、解き明かしていきたい。
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