1-2 ドイツの再エネの柱・風力発電
〜日本では適地不足〜
(1) 日本とドイツ:制度と市民参加が決定的な相違
再エネ先進国・ドイツと再エネ開発途上国・日本の違いについて、FIT制度、電力構成、市民参加、規制を中心に論じていく。
両国にはFITが再エネ拡大につながったという共通点はあるが、制度上の違いが大きい。もともと同制度は再エネ設備への投資を促しうる制度的基盤だ。
環境法でいうところの「経済的手法」であり、一方で、再エネ事業者に一定の利潤を確保しながら、再エネの普及・推進ができる。
第一に、両国の違いは、FIT開始の年だ。
1990年に「電気供給法」を改正し、これによって、91年ドイツが初めて再エネに関するFIT制度を導入した。
更に、2000年に「再生可能エネルギー法」が制定され、再エネが広く普及し始めた。
それに対して、日本のFIT制定は2012年に開始、しかも、第1章1-1(2)にて論じたとおり問題のあるスタートだった。
この日本の開始より12年前制定の「再生可能エネルギー法」は、日本の法律と違い、詳細に規定されている。
出力ごとに買取価格が区分され、出力100kW超で平地に設置したメガソーラーは買取対象外とされた(04年以降は、上限が撤廃)。
よって、規模に応じた価格設定によって、小規模施設に対しても配慮を行っている。
水力発電は、出力5,000kW以上の設備は買取の対象外で、小水力発電を主たるターゲットとして買取が行われていた8。
その結果もあって、24年の再エネ割合「Public net electricity generation in Germany in 2024 Energetically corrected values(2024年のドイツにおける公共の総正味発電量エネルギー補正値」は62.7%・259.2TWhと6割を超えた。
総正味発電量でも、58.8%だ。しかも、原子力発電は全廃してゼロである。
1 池田信夫アゴラ研究所所長日本最大のメガソーラーは建築確認なしで買取価格40円の無法地帯 https://www.gepr.org/contents/20240416-01/
宇久島メガソーラー事業の公式ホームページ https://ukujima-solar.com/
2 日本最大のメガソーラーは建築確認なしで買取価格40円の無法地帯 https://www.gepr.org/contents/20240416-01/より引用
3 ミゲル・メンドーサ、デイビッド・ヤコブス、ベンジャミン・ソヴァクール著『再生可能エネルギーと固定価格買取制度(FIT)―グリーン経済の架け橋』(京都大学学術出版会、2019.11.20)p100
4 第1回調達価格等算定委員会議事録 https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/005_gijiroku.pdfp1
5 第5回調達価格等算定委員会議事録 p33 https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/005_gijiroku.pdf
6 詳細は、著者の2021年度放送大学卒業研究「日本の固定価格買取制度(FIT)の功罪―政策決定までの問題点を探る」の論文を参照。
https://fukushima-wasurenai.jimdofree.com/ 論文固定価格制度の功罪─政策決定までの問題点─を探る
7 経済産業省ホームページによる https://www.meti.go.jp/press/2024/03/20250321006/20250321006.html
8 石倉研「ドイツにおける再生可能エネルギー買取の制度と価格の変遷に関する考察」keizai0070100330.pdf(hit-u.ac.jp)を参考にした。
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