そんなノンコのことが、私は好きだったし尊敬もしていた。
私より詳しくノンコのことを知っているとは思えない母が、なぜあれほどまでにムキになって、私とノンコを引き離そうとしたのか、私には理解できない。
高校生の頃に住宅地の中を母と二人で歩いていた時に、ノンコと出会ったことがある。
この時ノンコは、数十メートル先から私たちの方へ向かって歩いてくるところだったが、私たちに気がつくと、にこにこして手を振ってくれた。
数年ぶりにノンコを見た母は、「あら、Oさんって可愛くなったわね」と言ったが、小学生の頃のノンコは、可愛くなかったということだろうか。
ノンコはずっとめがねをかけていたが、いつの頃からかコンタクトレンズにしたらしく、この頃はめがねをかけていなかった。母は外見で人の良し悪しを判断していたのだろうか。
母の考えていることは、さっぱりわからない。
そういえば、私が高学年の頃の友だちで、Hさんというとても顔立ちのいい女の子がいたが、母はHさんのことを、「Hさんは美人や。あの子はミス京都や」とか言って、いつも褒めていた。
Hさんと私は、他愛のない話ばかりして遊んでいるような仲で、ノンコのように何かを教わったり、お互いを高め合ったりという関係ではなかったと思うが、母がHさんのことを悪く言うことは一度もなかった。
小六の時にノンコと別れた後、二度とノンコと付き合うことはなかったが、高三の時に家が火事に遭い、母がやけどをして入院した際、病院までお見舞いに来てくれたことがある。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
👉『続・人災 子どもは親を選べない ~“毒親”は“家”を滅ぼす~』連載記事一覧はこちら
【イチオシ記事】店を畳むという噂に足を運ぶと、「抱いて」と柔らかい体が絡んできて…
【注目記事】「今日、主人は出張で帰ってこないの」ホテルの入口で一瞬ためらったけれど、夫だって浮気をしているのだから私だって…