【前回の記事を読む】ノンコは、私にとって生まれて初めてできた一番の親友――だった。母は彼女のことが気に入らず、事件が起きた

両親の結婚

なぜ母がノンコのことを先生に聞くのか、私は不思議に思っていた。

その先生は、私が五年生になる年に赴任してきた先生だったので、受け持ったことのないノンコのことなど聞かれてもよくわからなかったと思うが、写生大会の時に一人で絵を描いていた私のそばにノンコがやってきて、いろいろ声をかけていたのを先生が見ていたらしく、その時の様子を母に話していた。先生はノンコのことを悪くは言っていなかったと思う。

六年生のある日、二学期だったように記憶している。

母は突然、ノンコと付き合うのをやめるようにと言い出した。

私はびっくりした。そんなこと考えられなかった。理由も全然わからなかったので、初めは母の言うことは無視していた。しかし、母は執拗に迫った。

ついには、「あんたが言わないのなら、お母さんが言うわ」と言い出した。

私の母から直接そんなことを言われたら、ノンコがどれほど傷つくか。

思わず、私は母にこう言っていた。

「やめてやめて、私が言う、私が言う」

私にとっては、まさに身を切られるような辛い決断だった。

ノンコと母とどちらかを選べと迫られているような気持ちだったが、まだ小六だった私に、母を切り捨ててノンコを選ぶという選択肢があるはずもなかった。

もう少し大きかったら、ノンコに事情を説明した上で、母には適当にごまかして、母に見つからないようにノンコと付き合い続けることを考えることができたかもしれない。