ここでは、本書を執筆している2025年を代表する言葉として、AIを取り上げ、AI時代の「使命」について考えてみる。

4~5歳の男の子が池で溺れていたのを、筆者は小学生のときに友人と2人で助けたことがある。池に隣接する下り坂で自転車のハンドル操作を間違ったのか、池に自転車と共に落ちていった。

そして、池で悲鳴を上げ必死に手足をバタバタさせる姿は、「生きたいという想い」を我々に託していた。周囲には他に人影はなかった。

私たちは釣り竿を置き、溺れているその子の近くの池の辺りまで走り、手を伸ばしたがその子には届かなかった。

自分は泳ぎは得意でなく、救助のやり方も知らなかったので、池に飛び込んだら共倒れになると思った。

そこで、友人に腰の辺りを支えてもらって上体を池の方に傾けて、右手を必死に伸ばし、その子の右手を掴み池から引き上げた。「天役」を果たすことができて本当によかった。

60年ほど前のことだが、今も鮮明に覚えている。本書を書こうと思い立った原点は、この体験にある。

そして、その後大学院修士課程を修了し、企業研究者として13年半、大学教員として26年半、合計40年間、時間を見つけては歴史書を愛読しながら抱いてきた疑問、

人はなぜそんなにがんばれるのか

に答えを出すために本書を書き始めた。

大学教員時代は、情報学を専門とし、「人間とコンピュータのコミュニケーション」と「意思決定支援」を研究してきた。情報学の中では人間寄りの世界を歩んできた。

実は、新聞記者から作家に進むという夢を母の反対にあったこともあり、封印して50年以上生きてきた。

「新聞記者は家庭がめちゃくちゃになる」というのが母の恐れであった。一方、作家に対するアレルギーは母には見受けられなかったのが不思議である。

情報学の教員を退職して、後世に伝えたいことを書きたいという想いが強まり、長く疑問として抱いていたテーマ(「人はなぜそんなにがんばれるのか」)に挑戦することにした。

本書を世に出すに際し、株式会社幻冬舎メディアコンサルティング 田中大晶様、千葉敦子様、および編集チームの皆様には、大変お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。的確なアドバイスと寛容なご対応が本書出版を後押ししてくれました。

 

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