この本は、幼少期から朝鮮学校で民族教育を受けて育った私が日本の大学院へと進学し、まだ昆虫学の扉を叩いたばかりの未熟な院生時代に朝鮮で行った3度の調査活動を紀行文としてまとめたものです。
当初は「専門書籍」をイメージして書く構想だったのですが、朝鮮における調査の過程の出来事や、何よりも朝鮮の人たちの虫に対する考え方や関わり方が新鮮で面白く、そのためこの本は、私の調査・研究を通して近年ほぼ紹介されてこなかった「朝鮮の姿」を、一人でも多くの方に知ってもらいたいという願いも込めて書き上げました。
本のタイトルを見て、昆虫の新たな生態に迫るような「虫寄り」な話を期待されている方々には少し物足りないかもしれませんが、「朝鮮と日本の自然環境の共通点や対比」という側面では、興味深い内容も含まれているかと思います。
私は、世界がコロナの影響で移動が制限される2019年まで、毎年のように調査・研究で訪朝していました。異国の地で生まれ育った私にとって「朝鮮で虫を追うこと」は、ただ単に研究を行うというだけではなく、祖国と感受する朝鮮の地で、私自身の存在や「祖国とは何か」を探求し続ける旅路でもありました。
この本を手にとってくださった方々が、その旅路を少しでも気持ち良くともに歩んでいただければ幸いです。
1回目の訪朝
1 やっと叶った2008年の訪朝
5年間も待ちました。「あれから」5年ぶりに朝鮮へ行く機会が巡ってきたのです。
私はこの機会をどれだけ待ちわびたことか……本当に長い期間でした。
5年前の2003年。朝鮮大学校の3年生だった私は、朝鮮の親戚と面会し、また語学研修と教育実習に参加するため、4月〜7月の約90日間の朝鮮滞在を予定していました。
もちろん当時から昆虫採集が大好きだった私は、そのような研修よりも採集のことばかりを考え、準備もバッチリ。
しかし、当時の朝・日関係は大変厳しい状況にありました。
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