やっと神栖の南浜にたどり着いた。防波堤のコンクリート壁が立ちはだかっていて海は見えず、時折寄せる大波が砕け散る水しぶきが見えるだけ。
観光目的であろう、たくさんの壁画が一面に描かれているが、すでに十数年経っているため、絵具も剝がれている。
しかし色あせているからこその味わいも感じることができる。
一連の壁画が終わると待望の砂浜(日川浜)に出た。
アスファルトでできた道やコンクリートの壁ばかり見てきた目には気持ちがなごむ景色である。
漂着したゴミが多いのが気になるが、波の音を聴き、砂の上を歩くのは気が休まる。
これも長時間無機的な人工物の中を歩いてきたからこその感慨であろう。
この砂浜は次回の楽しみとして、本日の最終目的地である下総橘駅(成田線)に向かった。
再び工場の道を行き、常陸利根川、利根川、黒部川を越える長い橋を渡り、日が暮れて薄暗くなった頃にようやく下総橘駅に着いた。
無人の駅舎のベンチに腰をかけて銚子から来る電車を待っていると、今回は海には縁遠い面白味のないコースではあったが、それなりに変化があって楽しめたかなという思いになっていた。
さて、『常陸の海岸を歩く』は次回で最終回となる。
(2005年10月16日)
壁画