大輔は自分の直感を信じて残ることにした……が、
「誰もいねーじゃんかよ……」
周りを見ると、まさかの残ったのは大輔1人だった。戸惑っているうちに5分経ち、亀井と由香が戻ってきた。
「ふ、残った奴はいたようだな……」
「ああ……よかった。でも他の方達は出て行ってしまいましたよ! 亀井さん!」
「別にいいだろ。あんな奴ら相手する価値ねえよ」
そう言って亀井は大輔のほうを見てこう言った。
「確認だが、あんたは残るってことでいいんだよな?」
亀井は大輔を見てそう言った。めちゃくちゃにらんでいる……。正直、逃げ出したい気持ちだ。他の選択肢を選ぶ方法もある。だが、さっき思った直感は信じたい。大輔は信じてみようと思った。
「はい、残ります」
大輔ははっきりと亀井にそう言った。それを聞くと、さっきまで目つきが悪かった亀井の表情が少し緩んだ。
「そうか。まぁ最悪、全員いなくなると覚悟したが免れたようだな」
「亀井さん、この状況ですが説明会どうします? 志願者1名ですよ」
由香は若干怒り気味で亀井に尋ねた。
「そう怒るな由香。このまま面接に入る。こっちへ来てくれ」
大輔は説明会場から別室へ案内された。まるで会社の面接場みたいなところへ連れられた。数メートル先の机に亀井と由香がいる。ガチの面接だ。大輔はめちゃくちゃ緊張して、手汗びっしょりだった。その様子を知ってか由香は笑顔でこう言った。
「本当に残ってくれてありがとう。ごめんね、説明会なのにあんな雰囲気になって」
亀井も「少し言いすぎたところはあった。悪かった」と謝罪した。大輔の緊張も少しほぐれたところで面接に入った。
「まず、履歴書とプロフィールを確認します。えーと、沢崎大輔さん。26歳、会社員として今回参加ということで……なぜこの企画に参加されようと思ったのですか?」
聞かれると思った。そりゃそうだろう。26歳で演技の経験もない男がいきなり志願してくるのだ。普通はしないことだ。10人中10人が無謀だと言うだろう。
「少し、長い話になるのですが……」
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