〈おはようございます。昨夜も帰れなかったので、メールですみません――〉

――私への苦情は私に言ってください。第三者にメールしたり、話したりすることは、世間や会社や会社関係者に広がるものと思ってください。その人を信頼して伝えたつもりでも、その次にそれを聞いた人は、あること、ないこと、おもしろおかしく、あるいは悪意をもって話して世間に広まります。

私を懲らしめて苦しめるためにやったんでしょうから、悪いのは私で、私は何をされても仕方がないのですが、名前が傷ついて、将来、子どもたちが悲しむようなことは、やめてほしいです。メールは通信機器ですから、いくらでも広まります。

〈――勝手ばかり言ってすみません〉

対する私の返信。

〈初盆の時のことですが、私も裏で夫に、あんなふうに言われているとは思いませんでした。葬儀の時も、いい笑い者になっていたんでしょうね!〉

そして、また孝雄からメールが。

〈何のことを言っているのですか? 書いてある意味がわかりません。後は気が済むように何でもしてください。今日は九時過ぎに帰ります〉

それで実際には十時過ぎに帰ってきて、ものすごく小さな声で、

「どうもすみません」

と一言。

(まったく、気が小さいのに、いらんことするからや……ちょっとは懲りたかなぁ……)

八月二十六日(金)

久しぶりに心菜さんにメールをして、孝雄のことを愚痴ってしまった。仕事中だとわかっていたけれど……どうしても吐き出したくなって、夜にメールした……。でも、その直後に孝雄から、

〈今、職場の最寄り駅を出ました〉

というメールが送られてきて……なんとなく怪しいと思った。初盆の時のこともあるし、また最近、心菜さんのお店に行くようになったのかな。

そうだとして……でも今日は、心菜さんが私の気持ちを察して、孝雄に早く家に帰るように言ってくれたのかもしれない……。

 

「夫 失格」の次回更新は4月7日(火)、20時の予定です。

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