「あ~……Lisa、その、言い難いんだけれど……、音がものすごくずれてるよ」
「えっ~! 本当?! Marlon、ちゃんと私に教えて歌うのを助けて~!」
「Lisaに歌を教えるのは……、申し訳ない、僕には無理かもしれない……」
「私に歌を教えてくれるMarlonが大好きよ。だから諦めないで! 頑張って!」
「あ~Lisa……」
頭を抱え首を横に振るのがやっと。でもLisaはそんなことはまったく気にせずものすごく音程のずれた歌を大きな声で平気で歌うんだ。
「歌を教えてくれるMarlonはとっても良い子ね! 大好きよ、Marlon」
「僕もLisaのことがこ~んなに大好きだよ!」
大きく手を広げて見せると、Lisaは自分のおでこを僕のおでこにくっ付けて低い声で、
「本当か? 嘘をついたらイエス様に言っちゃうぞ~!」
傍で見ていた祖母がクスクス笑いながら馴染みのお肉屋さんの店員さんと何か話している。少し太ったその年配の店員さんが、
「Marlon、ご機嫌だね。Lisaと一緒にいられるからかい?」
僕は少し照れながら頷いた。だって本当のことだから。
「これは将来Lisaと結婚するかもしれないね。Marlon、Lisaの手を離すんじゃないよ!」
Lisaは僕の目を見て優しく微笑みながら繋いでいた僕の手をギュっと握ってきた。僕も嬉しくてギュッと手を握り返してLisaを眩しそうに見上げる。
するとLisaがまたギュッと。悪ふざけの大好きなLisa。
お互いギュッ、ギュッ、ギュッと手を握りながら歩き始めると、あ~、またLisaが歌い始める。
♪Twinkle Twinkle Little Star~ How I wonder what you are!♪
「あ~、Lisa、僕にはもう無理だよ……」