『Yくんからの二度目の施術』【みつき】
初めてのときは要領を得ずに、動きもぎこちなかった私も、二度目は施術の流れも理解していた分、前よりもスムーズだった。
相変わらずに気持ちのいい指圧マッサージ。そして、オイルマッサージ。
仕事の疲れがベッドへ流れ落ちていくような感覚。
彼の大きな手でされるマッサージはとにかく気持ちがいい。
ただ、それで終わりではないことはわかっている。
マッサージの間は他愛もない会話をしているが、オイルマッサージの途中から会話がなくなる。
性感マッサージへの雰囲気作りなのか。
Yくんから私への触れ方が変わる。
力強いマッサージのために触れていた彼の手は、女性を感じさせるような触り方に変わる。
指先で触れるか触れないかのフェザータッチ。思わず甘い声をこぼしてしまう。
そして、背中からの全身リップ。
ここからはもう、こぼれる声ではなく、あえぐ声に変わる。
キスしながらも彼の手は止まらない。口、二つの手、体、全てを使って愛撫される。
今まで自分の背中を触られて感じたことはなかった。というよりも、背中を攻められることなどなかった。
今までしてきたセックスは、わかりやすい性感帯を攻めるだけ。
「おもちゃ使ってみる?」
とYくんから提案があった。
「あんまり使ったことないけど、オススメのものがあれば……」
Yくんは大きな黒のカバンを持ち歩いていて、その中には、セラピストの七つ道具らしきものが入っているようだった。
そこから出てきたのは電マだった。電マには衛生的なことを考えてなのか、トイ用のコンドームをつけてくれた。
まずはお腹の辺りに、そしてだんだんと下へ動いてクリトリスへと。
気持ちよかった。でも、私はすぐに、「もういいからやめてほしい」
とやめてもらった。
なぜなら、おもちゃよりも彼に触れられる方が気持ちよかったから……。
そんな私の要望を察したのか、おもちゃを置くと、彼の口での愛撫がリスタートした。
クンニ。とても長いクンニ。
足ががくがくするくらいにイカされる。
彼はそれでもやめない。挿入がないから、とにかく長い愛撫が続く。
そして、彼の長い指で優しく中を探られる。
私も知らなかったが、女性の膣内には感じるポイントがいくつかあるらしい。
Gスポットといわれる浅めの部分。そして、膣の奥の方にあるポルチオ。
私は、このポルチオが気持ちいいらしい。それも、ガシガシと手を動かすのではなく、ポルチオを圧迫する程度に指を動かすだけで、私はオーガズムに達するようだった。
クンニされながら、ポルチオを攻められるときには、頭の中は真っ白になった。そこにヒーリングミュージックの効果も相重なり、まるで宇宙を浮遊しているような感覚になっていた。
「もう無理」
それでも彼はやめない。まだいけると思うのか、私以上に私の体がわかるのか。
絶頂の上にまたある絶頂。こんな経験をしたことのある女性は少ないはず。
47歳にして初めて感じる感覚。長く生きてきても知らない世界はたくさんあることに気づいた。
彼とさよならをした帰りの電車の中では、仕事をサボってきた罪悪感なんて微塵もなかった。仕事帰りのサラリーマンや学生の中で、今受けてきた施術を反芻しながら、娘のいる家へと帰路についた。
次回更新は3月31日(火)、22時の予定です。
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