加えて、戦後から高度成長期にかけて整備された物流インフラや根拠となる法制度についても、メスを入れている。これらの既存制度については、今の政治家や行政は当たり前のように考えているが、「自動運転と電動化の時代」に当たり、この根本思想から見直す必要がある。

「起業家としての国家」は、長く続いた新自由主義の呪縛からの解放でもある。近年、新自由主義からのパラダイム転換の必要性が言われている。本プロジェクトは、日本にとって、その試金石でもあると考えている。

本書は専門家によるものではない。至るところで、稚拙な理論や暴論と思われる内容となっているかもしれない。しかしながら、岐路(きろ)に当たるこの大事な時期に、一つの警鐘(けいしょう)として、現状を広く人々に知っていただきたいと考えた。

なによりも、「自動運転物流」が現実化し、「物流危機の破綻」を回避し、日本経済が再び、元気になることを祈っている。

第1章 今なぜ、「自動運転による列島改造」なのか

迫りくる「物流破綻の危機」

2030年には物が届かなくなる!

「物流破綻の危機」が叫ばれているが、なんとか物が届いている現在、国民の関心は薄い。しかしながら、国の試算では「2030年には36%(34%という予測もある)の貨物が届かなくなる可能性があり、その経済損失は7・5兆円から10・2兆円に達する」(前掲)とされている。そんな事態は本当に起こるのだろうか? 具体的に見ていこう。