【前回の記事を読む】若者は未熟? 20代の青年を勧誘し、某団体で育成と考えていた。そのとき後ろから「面倒くさいヤツになるからやめろ」と言われ…
4 D(Diversity)の意味するところ
2 Dを知る先人の教え
さらには、次の二つを挙げて、その条件を得るための近道を教えてくれている。
ⅰ 先人のすぐれた経験に学ぶこと、そのためには「愛読書」を持つこと
戦国時代における代表的な三人の武将といえば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康が挙がるだろう。
このうち、前二者はその人生が晩年まで幸福であったとは言えない。徳川家康だけが自らの時代を築き上げた成功者のように思う。
それは何故か?
前二者は性格的に「人の言うことは聞かない」「常に自分が正しい」として書物から教えを得るどころか、他人の意見や成功例を学ぼうとはしなかった。
謙虚ではなかったのだ。
一方、徳川家康だけは幼少期の苦労のなか、愛読書を持ち、先人の教えを書物から学んでいた。
冷静だったのだ。
自分の考えだけではモノゴトへの対処の正解が得られるかは疑問だ。歴史に学ぶことは常に大切なことなのだろう。
ⅱ 人生のあらゆる経験を嘗め尽くすこと
経験に勝る人生訓はない。成功も失敗も、すべては経験があってこその結果だ。
モノゴトの真理を書物だけから得るのは難しい。経験に学ぶことは知行合一的に自分を練ることができる術なのだ。
「亀の甲より年の功」という格言がある。
これは年齢や経験の重要性を示している表現で、亀の甲羅は長寿の象徴だが、年齢を重ねることで得られる知恵や経験(功)の方が価値があるという意味だ。
中国の思想家孔子も、言行集『論語』において「知・好・楽」の教えを説く。「知・好・楽」とは、モノゴトの真理を知る大切な教えだ。
「知之者、不如好之者 好之者、不如楽之者」(「子曰く、之れを知る者は之れを好む者に如かず、之れを好む者は之れを楽しむ者に如かず」)
モノゴトの真理に辿り着くには、
「知ること → 好きになること → 楽しむこと」の段階があり、最終的には「モノゴトを楽しめるようになってこそ本物である」という教えである。経験の大切さを説いている。