どんなに忘れようとしても目に焼き付けられ色褪(いろあ)せることのない、幼い時代(とき)からいつ何時(なんどき)も目にしてきた、美しい銀色の毛髪一房(ひとふさ)と、赤銅色が混じり独特の癖(くせ)のある黒髪一房。

そしてそれらの束が、赤く染めた麻紐(あさひも)で強固に結ばれていた。

血の気が引いた。どういうことだ? 自分の髪と主である私の髪をひと束にして肌守(はだまも)りとして持っていたとは? 

そしてわざわざこのように遺(のこ)した意図はなんだ? 

いや、それよりもまず、この私の髪をいつの間に、一体どのようにして手に入れたのだ? 

ぞっと肌が粟立(あわだ)ち、全身の皮膚が一瞬にして様相(ようそう)を変えるほどの衝撃を覚えた。