「沙優は俺の子供を産みたくないのか」

「そんなことありません」

「それなら、二人で育てよう」

「南條さん」

「貢でいいよ」

「急には無理です」

「よし、病院へ行ってから役所に婚姻届を提出しよう。結婚式は沙優が嫌ならあげない。それでいいか」

「でも、貢さんの立場上、そう言う訳にはいかないですよね」

「いいな、その呼び方、抱きしめたくなる」

沙優は真っ赤な顔をして恥ずかしがっていた。俺は沙優を抱きしめた。

「貢さん、お腹苦しいです」

「やべえ、子供潰れちゃうな」

「まさか」

沙優に笑顔が戻った、俺は一生沙優の笑顔を守って行くと決めた。まず、病院へ向かった。

「おめでとうございます。二ヶ月目に入ったところです」

「沙優、やったな」

「はい」

お互いに見つめ合い、満面の笑みになった。

圭人、私、貢さんが好き。赤ちゃんも産みたい、見守ってね。そして、役所に行き、婚姻届を提出した。

「沙優、俺達夫婦になったんだな。これからもよろしく」

「私の方こそよろしくお願いします」

「会社に入籍の報告をする。妊娠は安定期に入ってから報告しよう。しばらく無理はするな。体調を考えて行動すればいいからな」

「はい」

あっという間にメディアに南條ホールディングス社長結婚と報じられた。私は、つわりの症状が重くて、横になってばかりいた。貢さんは文句一つ言わず、無理するなと気遣ってくれた。    

しかし、なんか様子がおかしいと感じた。抱きしめてもくれない、キスもしてくれなくなった。なんだか、私は孤独を感じた。そんな矢先の出来事だった。