はじめに

たまたま、下馬評で不本意にも、あるいはただただ著者の知り合いだから、この書を手にした方へ。

はじめまして。林田慎吾と言います。

妻と母と3人暮らし。子なし(ししゃもの逆)。

新婚旅行のパイオニア、宮崎県。それもひと昔、いや、10昔前の話か。そんな、どんな? 宮崎県は日向市、人口5万6030人の町に在住。僕は今年の夏で52歳に。

今日は2025年10月6日。早朝、秋晴れ、運動会日和。涼しい朝。
野良猫が玄関に寄ってきた。これから、仕事。

仕事は地方公務員、日向市役所に勤務。29年目になります。いつ辞めるか、懲戒処分を受けるか、わかりませんが、今のところ、まだ勤務継続中。

地方でコンサートを開く歌手のように言います。

「わたくしも、皆様に支えられて生きてきました。お陰様で、昭和、平成、令和と旅してきました。今夜はこの地の名物? 炭火焼きの地鶏を食べますね。最後の歌です」

昭和の旅は、小学校5年の時の大阪への旅。単身でカーフェリーに乗り、大阪の伯父夫妻をめがけて。

平成は海外9か国へ行きました。

フィジー、アメリカ、バングラデシュ、韓国、カンボジア、ベトナム、イギリス、フランス、イタリアへ。

令和は3か国。今年、2025年。2月台湾、4月上海、5月オーストラリアのブリスベン。

そんな海外旅の中から5か国の旅日記を本にしました。書店に並ぶみたい。
「ほんとかよ、おい?」

東京へもよく旅をしますが、山手線に乗っている大人、子ども、皆、スマホを見ている。僕のこの田舎でも同じ。異口同音ならぬ、異口同面。

この間は近くのファミリーレストランで家族4人、父も母も小学生の子ども二人も、それぞれにスマホを見ながら無言で食べていた。「ここは、ファミリーでのレストラン。君たちはロンリーレストランよ」と言いたくなった。声にすれば、警察が来るだろう。

もし、警察が来たら、僕に、こう言うだろう。溜息をつきながら。

「いつの頃からか、人と人が交わる機会が少なくなったね。確かに人と会う、人と話すのは疲れる。君も嫌な時があるだろうよ。私も来年定年。妻は去年、癌であの世へ。子どもは、上が東京に就職。下の子は、不登校で自分の部屋から出ない。夜中、コンビニに行って飯を食ってるみたい。

私はこの町の治安のために馬車馬のように働いてきたけど……、今思うのは、何のための人生だったのかな、とね。家族には苦労かけたし。退職前に思うのは、俺、これから何をしていこうかな。