本書は、2014年に出版した『専門医が教える胆石の話』(幻冬舎ルネッサンス)を新書化したものです。新書化に際しては、──胆石で肝臓も膵臓もわるくなる──という副題をつけてタイトルも新たに出版しました。

この改訂版では、内容を一部追補、修正し、またコラム〈胆石膵炎のパラダイムシフト〉という独自の視点を加えました。

本書が、多彩な臨床像を示す身近な病気である胆石症に関心を持っていただく契機となるとともに、胆石によって起こる急性胆管炎や急性膵炎という重篤な肝臓や膵臓の病気への理解を深める一助となれば幸いです。

第1章 胆石ができるまで

第1回 肝臓と胆管の構造と働き

本書では「胆石によって肝臓も膵臓もわるくなる」ということについて、一般の方にも理解していただけるようにお話を進めていきます。まずは、胆石と密接な関係にある肝臓と胆管の構造と働きからお話しします。

■胆石

──肝臓と胆管のお話の前に、胆石とは何ですか?

胆石というのは、肝臓で作られた胆汁の成分が固まってできる固形物です。この胆石が腹痛などの原因となっている場合を、胆石症といいます。そして、胆石は、結石のできる部位、胆囊や肝外胆管、肝内胆管によって、胆囊結石、胆管結石、肝内結石などと呼ばれます。

──肝臓の中にも胆石ができるのですか?

胆汁の通り道を胆管といいます。この胆管のうち、肝臓の中にある胆管を肝内胆管といい、この肝内胆管の中に結石がある場合を肝内結石といいます。しかし、肝内結石は胆石全体の1パーセント程度で、非常に稀です。胆石は、通常は胆囊の中にできるので、胆石といえば、一般的には胆囊結石のことを指します。

■肝臓の構造と働き

──胆汁は肝臓で作られるということですが、まずは肝臓について教えてください。

肝臓の大部分は、右のわき腹の胸とお腹とを隔てている横隔膜の下にあって、この横隔膜と肋骨に囲まれた広い空間の中に収まっています。肝臓は、人の内臓の中では最も大きな臓器で、重さは成人では900から1,300グラムほどもあります。

肝臓は、人体の化学工場、貯蔵庫などともいわれ、500種類を超える多くの機能を持っています。このため血液を介して活発な物質交換を行う必要があるので、肝臓には心臓が全身に送る血液の25パーセント以上にも相当する多くの血液が流れていて、肝臓の外観は赤褐色をしています。

 

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