南條さんは声高らかに笑った。

「沙優はおもしろいこと言うんだな」

「南條さん、冷静になってください、いくら彼女さんと喧嘩したからって、私と入籍するなんて」

「えっ、彼女とは喧嘩なんかしてないよ。それにそんな理由でプロポーズしないよ」

どういうことなの、私の頭の中はパニック寸前だった。その夜、南條さんは寝室に入ってきた。えっ、いつも私が寝入ってから入ってくるのに、私は寝た振りをした。

「沙優、もう寝たのか」

私はじっと動かなかった。

「なんだ、寝ちゃったのか。じゃ、寝てる間に襲っちゃおうかな」

「駄目です」

私は咄嗟に反応してしまった。

「なんだ、起きてたのか」

「あ、あのう、寝てます」

「じゃあ、襲っちゃうよ」

「やっぱり、起きてます」

南條さんは声高らかに笑った。

「沙優はほんとにおもしろいな」

「別におもしろくなんかないです」

南條さんは私を引き寄せて抱きしめた。心臓の鼓動がバクバク音を立てた。身体が熱くなり、顔もカアーっと熱くなった。

「沙優、頬が熱いぞ、熱あるのか」

「大丈夫です、南條さんがギュッと抱きしめるからドキドキしちゃって」

「あっ、沙優、エッチな事考えただろう」

南條さんの顔を見上げていたずらっぽい笑顔に益々惹かれた。

「沙優」

南條さんの顔が近づいてきた。

「駄目です」

「何もしないよ、俺の腕の中で眠れ」

南條さんは私を引き寄せて抱きしめた。

「こうしてると安心する」

私はドキドキして眠れないよ〜。こうして私は南條さんに抱えられる体勢になり、朝まで一睡も出来なかった。

次回更新は3月10日(火)、22時の予定です。

 

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