【前回の記事を読む】障がいの診断をつけられるとき、私がセットでなければならないと思うもの。それがなかった私はつらく悲しかった
第2章 自閉症児との暮らしの中で
◆我が子たちの発達特性について
①偏食
4歳ごろだったかな。白ごはんとポテチしか食べなかった娘が、ガストのお子様ランチを食べたときはうれしくて通い続けた。体に悪く可哀想という人もいた。ただ、多くを口に運ぶことができない娘が、食の楽しみを知らぬよりは、喜んで食事を口に運ぶ姿が幸せそうに見えた。私も幸せだった。
「娘の離乳食がスタートしてからというもの、私はずっと『娘の食事』という悩みを抱えてきました。というのも、娘は2歳半頃までバナナと白ご飯しか口にすることができなかったからです。我が子がバランスの取れた食事を取ってくれない。親として、こんなに心配なことはありません。
私も例外ではなく、離乳食教室に通ったり、本を読み漁ったり、あらゆる手を尽くしました。
しかし、どんなに工夫しても、娘は目の前の食事に手を伸ばしてくれません。スプーンを口に運ぼうとすると、固く唇を閉ざし、頑なに拒否するのです。楽しく食べる様子を見せようと、私が大袈裟においしいふりをしてみたり、時間がない中でさまざまな種類の離乳食作りに挑戦したりもしました。けれど、娘が食事を心から楽しむ日は、ついに訪れませんでした。
いつしか私は、周囲のママ友たちの『うちの子、食べるの大好き!』という言葉が、まるでトゲのように感じられるようになり、離乳食の話から、なんとなく距離を置くようになっていったのです。
『この子は、食事を食べない子なんだ』と、諦めかけていた頃のことです。2歳半を過ぎた娘は、私が食べていたマクドナルドのポテトに手を伸ばしました。そして、ポテトを食べたのです。
おいしそうにポテトをほおばる娘の姿が、私にとってはかなり大きな衝撃で、何度も『おいしいね』と声を掛けながらポテトを差し出しました。『ハンバーガーはどうだろう』と差し出しましたが、それは嫌だったようでかたくなに口を閉じて拒否していました。
しかし、ハンバーガーが食べられないことよりも、娘がポテトを食べてくれたことがうれしくて仕方がありませんでした。マクドナルドのポテトが『娘の食事』に、希望をもたらしてくれたのです。