2 プロの「手前」 〜教育と仕事始め〜

小学校低学年まではとても出来の悪かった私が、今は一丁前の仕事をしている。そういう自分が面白いと言えば面白い。ここでは教育関連エッセイと、医師という職業をとおして、「プロ」とは何かを意識しながら仕事論を進めていきたい。この章もQ&A形式にしました。

教育について書く前に提示したいエピソードを一つ。アメリカにいた頃、3歳の息子が現地の保育園に毎日行って、半年間全く言葉を発せずつまり英語を話さなくて黙っていた。

何で話さないのか、と訝っていたら、ある時急にネイティヴのように、英話をしゃべりだした。アメリカ人の保育園児もみんなびっくりしたんだ。

こんな勉強法なんて中学生くらいからはもうないのだけれど、著者はやっぱりそれに憧れる。丸ごと飲み込んで、あとは脳の中の熟成を待つ。

この本も読者にとって、丸ごと飲み込んで、その後、日にち薬によって、反芻して熟成され何かしらヒントになるようなことが一つでも立ち上がってきたら、望外の喜びなのだが。

さて著者は還暦も過ぎたので、ただ生きているだけの小児科医だ。自分が考えた事は基本的には人には伝わらないけど、伝える努力はいつまでも続けて行こうと考えている人間だが、それも時々もう曖昧であったりする。

また「後付けは嫌だ」と思うものの、何かしら伝えたいと思い時々の事を書くと、後になってからでないとわからないこともあるのも事実。

この本はハウツー本でもないし、また大きな太字で要点を記しても記憶に残らないので、逆にバタバタかつだらだらと書くようにした。

大事は本文に埋めたし、行間に残した。ポイントを書いたって、本当に意味ないからね、これも最近わかった事だけれど。まとめる力も著者にはないし、まとめないほうが良いとも最近はよく考えるのだ。

エピソードなどは、小児科医と医学研究者を30年やってきたからその関係の話が多くなるけど、読者の興味分野や仕事に関係なく、読んでいただければありがたい。

構成としては、想定問答で、「ある質問」をして、自分がなるべく「話しことば」でエピソード中心にしながら、その後の考えを述べる、という事を繰り返したい。

さて図らずも医者になってしまった私、現在は今の所繁盛している開業17年目の小児科のクリニックの院長だ。このクリニックは、今まで好きな事をしてきたので、あとは自分としては社会的に引退、開業は暇つぶしでやろう、として始まったクリニックなのである。

また当院は日曜診療をしていて、患者さんには好評だけれども、それは結果論であって、本当はただ単に「平日に休みをとりたい」という、院長の自分の都合だけでやっている。そういうクリニックの院長のQ&Aです。

 

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