【前回記事を読む】今後、バリュー投資家が日本株を買い増す可能性大。その理由は、PBRやバリュエーションの改善余地があるにも関わらず…

第3章 タイプ別・機関投資家の思考法

ベアマーケットでバリュー株は上昇しない

個人投資家の皆さんにお勧めする投資スタイルは、まずはバイアンドホールドですが、単にバリュエーションが低い銘柄に投資したところで、バリュー投資家が株を購入することで株価上昇が実現するまでは相当な時間を要する覚悟が必要ですし、もしかしたら、彼らのスクリーニングに漏れる可能性も十分にあります。

また、一般的な話になりますが、インデックスが継続的に上昇しているブルマーケット(強気相場)においては、低バリュエーション銘柄は出遅れて上昇する可能性が高いですが、強気と弱気が混在する場合、ボックス圏ではもちろん、当然ながら、ベアマーケット(弱気相場)では低バリュエーション銘柄(バリュー株)は上昇しないことが多いことを覚えておくとよいでしょう。

ただし、バリュー投資家の方々は、市場のセンチメントにはあまりこだわらず、独自の分析モデルを駆使して、銘柄選択を継続的に行っている人たちです。

そして、いったん購入したら数年間持ち続けることがほとんどです。外部環境の悪化等で業績が悪化し株価が下落しても、簡単には売却しません。

私が長年お付き合いし、尊敬していたある大手アセットマネジメントのバリューチームヘッドの方には、投資決定の前に、対象企業のトップマネジメントを私が紹介しました。

彼はミーティングの後に投資の決断をしました。その後、何度かミーティングのアレンジを提案しましたが、その方は会おうとはしませんでした。

彼の言葉はきまって、「信じて応援しておりますとお伝えください。自分に時間を使わず、事業のために時間を使ってほしいのでミーティングは結構です」というものでした。

その後、その投資家はご病気で亡くなられたと聞き、大変なショックと大きな悲しみを覚えましたが、彼が投資した企業の株価は約20倍にまで上昇しています。

私はバリュー投資家の知見と信念に感銘を受ける場面に多く恵まれました。企業を評価する際に、彼らの声をもう一度自分のなかに呼び起こし、見つめなおそうとする作業の助けになりました。