バリュー投資家が日本株を買い増す余地は大きい
すなわち、今まで同企業の株を保有したことのないバリュー投資家が、マネジメントと会える可能性は意外に低いのです。そこでマッチングの役割を行うのが、証券会社のコーポレートアクセスと呼ばれる部隊とセルサイドアナリストです。
コーポレートアクセスは証券会社の顧客である機関投資家から、希望する事業会社とのミーティングをアレンジする部署です。
各証券会社にコーポレートアクセス部隊はいて、日々、投資家のリクエストを事業会社のIRに伝え、ミーティングのアレンジを行います。
ただし、多くの場合、投資家は事業会社のマネジメントに会いたいにもかかわらず、なかなか実現しないのが現実です。
事業会社のIRはマネジメントの貴重な時間をできるだけ有効に使う責務があり、機関投資家のアセットサイズや過去のトラックレコード、すなわち、過去に同社の株式を保有したことがあるか等を調べたうえでリクエストを承諾して、日程調整に入るかどうかを判断するのです。
コーポレートアクセスは、リクエストしてきた投資家の属性を丁寧に事業会社のIRに伝えます。そこでは、コーポレートアクセスの過去の実績と所属する証券会社への事業会社からの信頼も判断材料になるでしょう。
そして、どうしてもマネジメントアレンジが難しそうな場合は、アナリストの出番です。アナリストのなかでも、カバレッジ年数の豊富なベテランは、マネジメントからも知られていることが多く、そうしたアナリストから会ったほうがよいと勧められた投資家には、マネジメントも安心して会うことができます。
また、海外におけるミーティングの場合には、営業部隊のミーティングアレンジ力等の実績もものを言います。
ここで話したかったことは、今後、バリュー投資家が日本株を買ってくる余地が非常に大きいということです。後ほど述べますが、PBR(株価純資産倍率)等、バリュエーションの改善余地が大きいのに、アセットサイズが大きいバリューファンドのCIO(運用責任者)ですら、日本の企業トップと十分に会えていないからです。
次回更新は3月11日(水)、8時の予定です。