勝也は最初の喫茶店からスナックの事まで全てを目の当たりにしていたので、また始まったと思った。江美は「売り上げが合わない・お金が足りない」など、まるでその人がお金を盗み、泥棒のように言っていた。

やはり、今までのようにその人は辞めていき、江美は保険屋さんを退職し、カラオケ喫茶の経営全てをするようになる。色々と内容を変え、昼はカラオケ喫茶で、夜はスナックという店にしていった。

江美は年齢以上に若く見え、美人で完璧な接客なので、お店は大繁盛店になっていった。リストラされた彼氏は買い物や雑用を手伝っており、次女と三女も家事などの手伝いをしていた。江美は、まさに一家の大黒柱といった感じだった。

勝也は江美の事を嫌っていたが、商売や仕事に対しての姿勢は尊敬していた。しかし、この家庭には違和感しか感じていなかった。

次女、三女はきちんとした仕事にも就かず、30歳半ばを過ぎても1日に数時間、週に3日から4日勤務のパートだけで、買い物などは母親の財布を持っていき買い物をする。結婚どころか彼氏も居ない、家族の中だけで全ての生活を完結している。パート以外の時間は、ほとんど勝也の家に入り浸り、自宅には寝に帰るといった感じだった。

この頃には勝也もかなり稼ぐようになっていたので、家族でよく外食をしていた。毎週日曜日には子供達を連れて遊園地や動物園、天気の悪い日には水族館に行くなど家族サービスもしていた。

勿論、妹達も一緒に連れていっていたが、全て勝也の財布からの支払いだった。それなりに家族サービスをしていたが、紗香と喧嘩をするといつも紗香は「子供の面倒を見なかった」「家に居なかった」などと言っていた。