ミシシッピー州は、南北戦争の時は北のヤンキー軍を敵にして戦った南部の中心だったらしく、土産店や公共の建物などには星条旗と並んで必ず赤地に南軍参加11州を意味する11個の白星をX形の青の筋の中に配置した南軍の旗が掲げてあった。

物珍しさにこの旗の小さいものを土産に買った。午後は、市内のあちこちにある旧プランテーションオーナーのマンションを訪ねる。白亜の殿堂は金持ちの憧れと見えて、ほとんどは玄関先に大きなポーチを設け、上に大きく張り出した屋根や階上を白い円柱が支えるギリシャのパルテノン神殿のようなスタイルである。

内部は博物館になっていて、18―19世紀のヨーロッパで流行った華麗なスタイルで居間、寝室、書斎などを飾り立てている様子が見学できる。

翌日はカーター夫人の友人の骨董商のお店を訪ねた。所狭しと置かれた西洋骨董に交じって少々中国や日本のものもあった。骨董屋だけあって東洋文化には興味があると見えて、すごく歓迎してくれたが、日本人なら漢字が書けるだろうと、白い紙と筆を出してこれに何かを書いてくれという。

とりあえず自分の名前を書き、簡単な文を添えた。「すごい! これはうちの宝にしよう!」と、ご主人はとても喜んでくれたが、達筆とは程遠い悪筆なので、「アメリカ人ならいいけど、日本人や中国人には絶対に見せないで下さいね」と冷や汗を感じながら約束してもらった。

夫人やご主人の英語は南部特有のゆっくりした話し方で、何かをいうと「オー、マイゴッド!」を連発するのもどこか優雅で耳にさわりがいい。

そんなこんなで一週間は瞬く間に過ぎた。そして、またバスの旅が始まる。数年前に京都で偶然出会い、ちょっと話しただけの若者にこんなに親切にしてもらい、一生忘れない思い出を作ってくれたカーター夫人に目一杯の感謝とお別れの挨拶と抱擁。

初めての海外、初めてのアメリカなのに違和感が全然なく、しっくりと馴染める自分にやや驚きを感じる。

不思議でもあり、これがアメリカという国の懐の深さなのかと感心したりもする。日本にいる外国人たちはどんな印象を日本に関して持っているのだろうか。強烈、独特の文化を持った単一民族の国・日本は、さて懐が深いのだろうか。

 

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