さて、とりあえず今どうするかを考える。寒い季節ではないので、どこかに腰を下ろしていても、歩いていても、どちらでもよい。朝まで、時間をつぶそう。幸い足腰は、丈夫な方だ。夜が明けて明るくなれば、道がわかるかもしれない。人が通れば、尋ねることも出来るだろう。

歩いている内に、木々が開けた所に、木製のベンチがあった。何か心惹かれるものがあり、少し休憩していくことにした。座りながら、考える。このベンチは、俺に何の関わりがあったのか。考えても、思い出せない。でも、昔、ここで何かがあった。それが何かがわからない。

ベンチに座り、うとうとし始めた。若くはない身体の睡眠の要求に、身を任せた。

しばらくして、人の声が聞こえた。

「お久しぶりね。Fさん」

次回更新は2月20日(金)、21時の予定です。

 

👉『あの世で、君と結ばれる』連載記事一覧はこちら

【イチオシ記事】「抱き締めてキスしたい」から「キスして」になった。利用者とスタッフ、受け流していると彼は後ろからそっと私の頭を撫で…

【注目記事】ネットで会った人とすぐにホテルへ。唇を重ねた瞬間、粒状の何かが口に入ってきて、咄嗟に顔を離すと…