飛んで舞ってる天女は中々美しい。着ているものも良いし、スタイルも良く顔立ちも中々良い。それでいつまでも見ていたいが、何処かで見るのを諦めねばと思った。
天女を見るのを終えた義継は、天と共に宮殿に向かって歩み始めた。
あの建物の中には、どんな方が居るのだろうか? もしかして、古代ギリシャ風の衣装を身に着けた王様のような方か? 建物が宮殿のようだからそれも有りか。
遂に二人が宮殿の入り口にまで来た時、大きな扉が開いた。それも人の手もなく開いた。義継は其の現象を不思議に思った。そして中に入り前に進めば、古代ギリシャの衣装を身に着けた二人の男女が立っていた。衣装からすると、二人は王族のようにも見えた。
「あの方が、天主のゼウス様と妃のヘラ様です」
天の説明を聞いた義継には、向こうに見える二人が想像していた姿と其れ程に違わぬように見えた。其れは不思議にさえ思える。
天と義継は更に前に進み、二人の目の前にまで来た。
「儂は天主のゼウスだ。隣におるのは、妻で妃のヘラだ。此処までの道程、長く大変な事だったと思う」
ゼウスがそう言うと、ヘラの方は、
「長い道程、どうされて来ましたか?」と、労を労うように尋ねてきた。
「天が天馬を呼んで其れに乗せてくれました。それで可なり楽して来れました」と義継は答えた。
「それは良かったですね」
其の言葉を言うヘラの顔には、安堵と優しさが感じられる。義継にとって、長く歩き続けるとしたら、それなりに大変である。
ゼウスは義継に目を向け、ゆっくりと語り出した。
「今日、そなたを呼んだのは、私と妻のヘラがどうして此の世界に存在してしまったのかを話したかったからだ」
「それで、どうして此の世界に?」義継にとって此の世界は不思議だ。翼を持って飛ぶ人間や馬など、考えられない。
それでも夢の中の世界だから受け入れられる。
「儂は、実は、かつて地上の人間で国を治める王だった」
「えっ、人間だった」
元々ゼウスを神と思っていた義継には、可なりの驚きだ。其の顔は、一時ポカンとした表情をしている。
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