写真はその時の講義での垂れ幕です。この講義は地域医療を支える人づくりプロジェクト事業の一環として成されました。
北見北斗高校で一年から三年までの学生七十五人、他校からの学生十五人、先生たちを加え百人を超える聴衆でした
そうか! 彼女はあのときの学生の一人だったんだ!
実はあのとき宮本には、外科医が高校生に話をすることの意義が解りませんでした。話も広げすぎたように思います。
とはいえ彼女が五年前の講義をとてもよく覚えていることに感動しました。
さらにバイトが終わり患児用の宮本名刺を渡すと、
「あっ、これ宮本先生の講義に出てきました!!」。
おお、そうだった。この講義用にまとめた小児外科のショートストーリー十編は、その後発展して拙著一冊目『たたかうきみのうた』のたたき台になっていったのでした。
彼女は今頃家に帰りあの本を読んでいるでしょうか。
本の中に次から次へと出てくるお話が、自分が高校の時に聞いた話が元になっていると知り、さぞかしびっくりしているのではないでしょうか。
宮本が高校生に講義したのはこの一回だけでしたが、その聴講生が医学生となり会えたことに驚きました。
よく考えると、その時の聴講生のうち何人かは旭川医大の医学科や看護学科に入学しているのでしょうが、あれから五年たち、教育センターからは当の演者にそのようなことは伝えられていません。
とはいえ、現役医師が高校生や中学生、さらには小学生にだってお話しする意義はあるようです。命の大切さや医学の最前線など興味を持たせる話ができるように思います。
だがしかし、五年前の講義の後半でお話しした、ヒルシュスプルング病の百年以上に亘る術式開発の歴史、これは壮大ではありますが、複雑すぎたかな、と今になって反省しきりです。
試し読み連載は今回で最終回です。ご愛読ありがとうございました。
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