病院が大嫌いだった四歳のマコト君

外来にお父さんと四歳のマコト君がやってきました。

赤ちゃんの時から便秘がひどく四年間で三か所の病院をまわっているけれど一週間も便が出ないのは当たり前とのこと。

お父さんの陰に隠れるようにおどおどした男の子で、各病院で浣腸をされたり、肛門に指を入れ便をほじられたり……で、病院が大嫌いな子でした。

「浣腸の〝か〟という声でも聞こうモノなら泣き叫び逃走します!」と、お父さん。

まずは下腹部から臍の上まで硬く触れる便の塊を出すところから治療が始まりました。

数日かけてオリーブオイルを肛門から注入し便を軟らかくしてから、さらにオリーブオイル入りの浣腸を行い大人の掌(てのひら)山盛り二つ分ほどの硬い便塊(べんかい)をオムツに出しました。

便の塊が腸につまることを便塞栓といいます(写真参照)。

あまりの大きさにお父さんの目も点になっています。

「こんな大きなの、大人の自分でも出せない」ボソッとお父さんが一言。

その後、排便を薬で助けながら、緩くガバガバになった腸が細くなるのを待ちました。

三か月ほどたった時の再診でのこと、医師診察前に問診をしていた看護師が嬉しそうに、

「マコト君、今日は先生に何か直接言いたいことがあるみたいですよ!」

元気にドアを開けて飛び込むように入ってくる男の子! マコト君です。

「先生、保育園でウンコ出た!!スルッと出たよ!」

後から、お父さんが満面の笑みで登場し、

「先日嬉しいことがありました。保育園で先生が驚いて話してくれたんです。

“この子はこんなに活発で、ごはんもモリモリ食べる子だったんですね~~”って言われたんです。

その場で、嬉しくて泣きそうになりました。それまでどんなに辛かったんだろう、治療できて良かった~~」