【前回記事を読む】「君の弟は、死んでしまったのかい?」「僕が殺したんだ。だけど、僕には守ってくれる存在がいる。」彼はそう言って微笑んだ。

【ノアとの出会い】

おいらが再(ふたた)び眠(ねむ)りから覚(さ)めた時、大地が嘆(なげ)いている声が聞こえてきた。その時だ。おいらの身体(からだ)に、ものすごく大きな足が、被(かぶ)さってきたのさ。おいらは思わず叫(さけ)んでしまったのに、その足は、何も無(な)かったように通り過(す)ぎて行ってしまった。

おいらは、そのまま気を失(うしな)ってしまった。

温(あたた)かい手のぬくもりで、目覚(めざ)めた時、おいらの身体(からだ)を包(つつ)みこむようにして、一人のおじいさんがしゃがんでいたんだ。

「大丈夫(だいじょうぶ)だったかい?」

そのおじいさんは言った。

「あいつらは、いつだってああなんだ。弱い者(もの)のことなんて見えてないんだ。だから、みんなあいつらの機嫌(きげん)をとって、その嫌(いや)な気持(きも)ちを自分よりも、もっと弱い者(もの)をいじめることで、スッキリさせるような人々ばかりになってしまったよ」

おいらはたずねた。

「あいつらってさっきの大きな人のことかなあ?」

彼(かれ)は言った。

「お前さんは花なのに、言葉(ことば)を話せるんじゃね。あいつらは、なぜかとても強(つよ)くて、普通(ふつう)の人じゃあないみたいなんだよ」

おいらは、また、神(かみ)さまからの言葉(ことば)を思い出した。

“私(わたし)が、つくったみ使(つか)いたちは、どうやら、人の娘(むすめ)を好(す)きになってしまったらしいんだよ”

おいらは心の中で思った。

“あの大きな人たちは、人の娘(むすめ)さんたちとみ使(つか)いさんたちの間に出来た子供(こども)たちなんだ”

そのおじいさんは、静(しず)かに語った。