「願い事成就決定会合」では、縁故による不公平や不正のないよう案件は冒頭の案件番号のみで審議される。

どこの誰、地位や名誉、財産などの固有の情報は一切明記されておらず、単に願い事別に仕分けられているだけであった。

「それでは、これより本神社の願い事成就決定会合、通称 『百件会議』を開催します」議長役の神様が口火を切った。「なお、今回は都合により百一件と件数が一件多くなっておりますのでよろしくお願いします」

神様たちの参席のもと今月の会議が始まった。

人間たちにとって、どんなに結果の合否が待たれる行事だろう。

きのうの朝、参拝した二人の就職祈願に訪れた青年たちは選出されるだろうか、またどんな評価をされているのだろうか。

が、奇妙なことに、本日の会議資料をここ数日頑張って作成した新米の神様本人の姿は、会場のどこにも見当たらなかった。

議長は淡々と案件の要旨を読み上げた。

「まずは、家内安全の部からです。一号案件。願意は、一年間の家族の無病息災。願出者は主人で、参拝は一回、絵馬はなし……。評価は『C』となっています。本件について、審議をお願いします」

「『C』で妥当ですな」

「異議なし」

「では本案件は『C』ということに決定します」

こうして、議事は淡々と進んでいった。数が多いこともあり、案件は事前の評価通り、ほぼ形式的に承認されていった。

 

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