「おはようございます」

「はい、おはようございます」

「出雲の神在祭(かみありさい)はお疲れさまでした」

「全国の神様が集う祭りというのは、何度見ても盛大なものですな」

「それにしても全国にあんな数の神様がおられるとは、いつも驚かされます」

「八百万(やおよろず)ですからな。それに年をとったせいか、長旅は疲れますな」

「ほんとうに」

出雲から帰郷した神様たちが口々にあいさつを交わした。

「帰ってきて早々ですが、本日は恒例の『百件会議』ですな」

一人の神様が言った。

「はい、当神社の評判を決定する重要な行事です。公正な評価をしませんとな」

「全員揃わないと始まりませんから、時間までに会場にお願いします」

「そうですか。ではのちほど」

長老の神様が、ゆっくりと答えた。

「こちらこそ」