第六章では、マハリシ自身の言葉を引用し、〔これまでのマハリシの運動で〕実現してきたこと全体が持つ意味を、理論と実践の両面で概説し、マハリシが「人という存在の無限の可能性」と呼ぶ概念を確認する。
これは、人が完全な悟りへと至った時に開かれる可能性であり、人の意識が、自然界の至る所に現れている知性と結びつき、その支えを受けたときに開花する可能性だ。
最後に行動の手引きでは、世界の恒久平和を実現するために一人ひとりがすぐ実行できる具体的な行動手順を提案している。平和を愛する人々はもはや、平和を祈ってただ気を揉(も)んだり、各国の政府や平和機関、国連の行動を待つ必要はない。
たとえ一人でも、数人でも、あるいは数千人でも、世界の運命を変えるために、この平和のテクノロジーを大規模かつ持続的に活用させられるのだ。
この考えは確かに従来の常識とはかけ離れているが、科学的な調査・分析にかけることができる。マハリシがヴェーダ科学と呼ぶ思想体系は、系統だった手法で古代の考え方を客観的に検証し、現代に蘇らせたものだ。その成果は、世界中でテロが起こるこの時代において、極めて実用的なものと言えるだろう。
マハリシは言う。
私たちにはテロを根元から断つ力があります。テロリストを何人か殺せばテロに終止符を打てると信じるのは全くの理解不足です。本当に必要なのは、全世界の集合意識に同調と調和をもたらす押さえ切れないほどの影響力を生み出し、テロの根本原因を取り除くことです。(出典1、巻末参照)
炭疽菌は送りつけられる。核弾頭の行方は分からない。化学兵器は蔓延している。将来のテロ攻撃は一層悲惨なものになりかねない。
そうなればアメリカ政府はその強大な軍事力をもってしても市民を守り切れなくなる。こうした危機が訪れれば、責任ある指導者、責任ある市民は誰一人として、科学的に検証された一つの可能性を無視できなくなるだろう。
責任を果たせる道は、物事を見極める目と精神力を使って、世界平和の実現方法を慎重に検討し、厳しい疑問を投げかけ、納得した上で結論を出すことだ。
テロが世界的な脅威になっており、アメリカが中東での経験で何十年も前から分かっているように、他にテロを止める方法がない以上、世界の行く末は危うい状況にあると言っても過言ではない。