【前回の記事を読む】ほとんどが自覚症状無し。腎臓病患者は年々増加傾向。進行すると命に関わるほど深刻に…。

第1章 腎臓病は静かに進行する国民病

なぜ腎臓病になるのか?

腎臓病の原因は一部に遺伝的要因が関与していますが、多くは生活習慣病、加齢、免疫系の異常が関係しています。そして、原因疾患としては以下に説明する糖尿病、高血圧、慢性腎炎の3つが大部分を占めています。

①糖尿病

高血糖が長期間続くと、特に血管が損傷を受け、腎臓を含む全身の血管にダメージを与えます。糖尿病の合併症の一つである糖尿病性腎症は、腎臓の糸球体に過度な圧力がかかり、最終的には腎機能が低下します。糖尿病患者は、糖尿病性腎症を発症するリスクが高いため、早期の血糖管理が必要です。

②高血圧

高血圧は全身の血管に損傷を与え、特に腎臓の細い動脈が動脈硬化を起こします。これにより、糸球体への血流が低下し、腎機能も低下します。高血圧が続くと、腎臓病の進行が加速されます。したがって、高血圧の管理は腎臓病予防において非常に重要です。

③慢性腎炎

慢性腎炎は腎臓に生じる炎症で、免疫系の異常や感染症が引き金になります。中には、原因不明の腎炎もあります。これらの炎症が長期間続くと、腎機能が徐々に低下し、最終的には慢性腎不全に至ることがあります。慢性腎炎は特に若年層においても見られる病気であり、早期発見と治療が重要です。

腎臓病は、血液をろ過する糸球体が目詰まりし始めることで発症します。初期段階では一部の糸球体だけが目詰まりしますが、これが他の糸球体にも負荷をかけることになるので、ドミノ倒しのように目詰まりが広がっていきます。

顕微鏡で観察すると、糸球体の膜が厚くなったり、細胞が増えたり、血管が潰れたりすることもあります。目詰まりした糸球体には死んだ細胞や老化した細胞が多く見られます。

これらの細胞は元の健康な状態に戻ることはありません。ですから、腎臓病は治療によって進行を遅らせることはできても、元の正常な状態に戻すことはできないのです。