医学生時代 1979年4月〜1985年3月
小児神経1 障害への無知を知る
初めて障害のある子どもたちに出会ったのは、大学に入学した春だった。サークル説明会で、ボランティアサークルの先輩から声を掛けられた。
「障害児施設を一度見学に行きませんか」
大学に入ったら何でも見てやろうと思っていた私は、ただの見学ということで了解した。
4月の土曜の午後、現在私が勤務する秋田県立医療療育センターの前身である、太平療育園を訪れた。
子どもたちと一緒に遊ぶだけで良いからとの説明だったので、それなら簡単なことと、気軽な思いで玄関をくぐった。学生ボランティアの訪問を、毎週楽しみに待っている子どもたちが、玄関ホールに集まっていた。
数歩進んで立ち止まってしまった私に、10歳くらいの男の子が両腕を振り上げ、体を揺らしながら歩み寄ってきた。思わず私は、一歩後ずさりしてしまった。
そして、構わず進んでくるその子をどうにか受け止めた。嬉しそうに大きな声を出すが、私には全く理解できない。
おどおどしている私の腕を引っ張り、彼はソファーの方に歩み出した。どうやら私の名前を尋ねているようだと思い、ゆっくり自己紹介した。
彼は大きくうなずき、繰り返し私の名前を確認した。一緒に遊んだのは1時間ほどだったが、終わる頃には彼の話す言葉も半分くらい理解できるようになっていた。
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