【前回の記事を読む】【四国お遍路2~3日目】焼山寺本堂前に立った時の感動!急峻な上りと下りを繰り返す険しい遍路道

第1章 発心の道場――徳島県[阿波の国]

4日目 「挑む」ことに価値を見いだす社会(3月16日)

焼山寺から大日寺(だいにちじ)へのコースは二つ。古くからの遍路道「玉ヶ峠(たまがたお)越えコース」と神山町を抜ける「一般道をゆっくり下るコース」です。13番札所大日寺と14番札所常楽寺(じょうらくじ)の2霊場を巡拝します。

やっとの思いで立ち上がった朝、足首や膝がきしみ、まだ回復していません。一般には、焼山寺参拝後の玉ヶ峠越えコースは厳しく、一般道を歩くコースが勧められています。

このため、事前の計画では一般道コースを予定していましたが、昨夜、宿の主人が「明日は天気が良いので玉ヶ峠(コース)がいいよ」と勧めてくれたので、急きょ計画を変更して玉ヶ峠越を歩くことにしました。

この古くからの遍路道は、上り始めからすごい坂道。岩の間を縫うように歩き、玉ヶ峠(標高455m)を目指します。急峻そして道が分かり難いという点では、焼山寺の遍路ころがしを超えます。しかし、焼山寺遍路道との大きな違いは、峠まで2キロと短いことです。2時間ほどで急に視界が広がり、一般道に出ます。玉ヶ峠です。

玉ヶ峠からの眺望

少し下ったところに遍路小屋があります。ここから見る景色は、『まんが日本昔ばなし』に出てくるような日本の原風景を感じ、集落から立ち上る煙は釜戸で煮炊きしているかのようです。確かに、宿の方が教えてくれたとおりでした。

焼山寺山を下り切り、鮎喰川(吉野川水系一級河川)沿いを歩きます。清らかな伏流水を活用した生業が盛んで、鮎は地元の特産品になっています。さらに、ここから北の藍住町(あいずみまち)では、徳島藩による藍の生産奨励が行われ、現在は「阿波藍」として知られています。

13番札所大栗山花蔵院大日寺は、街中にあります。山門をくぐると、両手に包まれた「しあわせ観音」に出迎えられます。県道の騒々しさが消え、一瞬にして心穏やかになります。

仏様はそれぞれ役割を持っているのでしょうが、観音様には、特に優しさを感じます。一体、このような感覚はどこで身につけたのでしょう。一次社会化の過程で知らず知らずのうちに身につけてきたのかも知れません。

14番札所盛寿山延命院常楽寺には、弘法大師が挿し木をして育てたと伝わる巨木「あららぎ霊木」が本堂前にあり、「アララギ大師」が木の股に祀られています。

四国お遍路の参考にした図書には、焼山寺を打ち翌日の大日寺や常楽寺までをフラフラになりながら歩くと書いてありました。私も同じでした。

更には、たとえ焼山寺を越えても、翌日の20キロ超えの歩きお遍路で、さらなる負担が重なり、今後40日以上歩き続ける気持ちを維持できなくなり、翌日にはJR徳島駅から帰宅の途につくお遍路さんが多いと書いてあります。