そしてリベンジの時が訪れた。が、大学受験も失敗し、3度目の挫折を味わうことになる。
初志貫徹で、北海道大学医学部を受験、見事に不合格……。
高校受験でも不合格を経験していたので、受験を応援してくれた家族には申し訳ないのだが、自分の中では「また不合格かよ」というライトな挫折感にもかかわらず、周りがえらく心配して、3歳上の姉の数人の友人が慰めに新宿プリンスホテルのラウンジで激励会を催していただくなどという非常事態が起こってしまったのだった。
高校生の分際で、(それも浪人生確定の身分で)シティホテルのラウンジへ足を踏み入れ、雰囲気にのまれたことを覚えている。夜景がきれいだな、と。
しかしさすがにその後1年の浪人生活は精神的にも厳しかった。予備校のあるお茶の水界隈には複数の大学があるのだが、キャンパスライフを謳歌する大学生を横目で見て、特に高校3年間を男子校で過ごした自分にとって、大学生カップルが目障りで仕方がなく「俺は軟派な大学生にはならん!」などど、勉強に関係ないパーパスを掲げたりもしていた。
浪人生の受験は、現役生の受験とは全く異なる、ということは、経験者ならおわかりだろう。
予備校は学生の成績をシビアに分析、受験校のアドバイスを提供する。医学部への道は簡単なものではない、という現実を突きつけられたのだった。医者になる夢をあきらめ、獣医学部と薬学部を受験、2つの合格を勝ち取ったが、薬学部への進学を決めた。
唯一姉は、獣医学部に進んでほしいと言ったが、確かに動物好きな自分は動物観察も得意であったが、獣医学を学んで、獣医師になる自分が想像できなかった。
家畜獣医師であれば安定した収入が望めるだろうが、私の大学受験の時期はバブル前のあまり景気のいい時代ではなかったため、それほどペットにお金をかける風潮がなかった。町の動物病院でペット対象の獣医師では経済的に安定しないのではないか、とも考えたからである。
第一志望ではない薬学部ではあったが、医者に代わる将来の夢として、薬科大学入学後は研究者を目指した。大学院へ進み研究室へ入ると一層研究にはまった。朝7時に研究室に入り、夜11時に研究室を出る、というセブンイレブン研究中心の生活を送っていた。
大学院での2年間の研究成果をもとに海外雑誌にファーストネーム(主研究担当者)として4報の研究論文を発表したのだった。
◼Fluorescence Study on the Interaction of Salicylate with Rat Small Intestinal Epithelial Cells: Possible Mechanism for the Promoting Effects of Salicylate on Drug Absorption on Vivo.
Hiroshi Kajii etc. Life Sci., 37, 523-530 (1985)
◼ Effect of Salicylic Acid on the Permeability of the Plasma Membrane of the Small Intestine of the Rat: A Fluorescence Spectroscopic Approach to Elucidate the Mechanism of Promoted Drug Absorption.
Hiroshi Kajii etc. J. Pharm. Sci., 75, 475-478 (1986)
◼ Effects of Sodium Salicylate and Caprylate Adjuvant of Drug Absorption on Isolated Rat Small Intestinal Epithelial Cells.
Hiroshi Kajii etc. Int. J. Pharm., 33, 253-255 (1986)
◼ Fluorescence Study of the Membrane-Perturbing Action of Sodium Caprylate as Related to Promotion of Drug Absorption.
Hiroshi Kajii etc. J. Pharma. Sci., 77,390-392 (1988)
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