それから一時間ほどして、ルリエは目を覚ました。不思議なことに、壁やカーテンや布団など目にするものの多くが、エメラルドグリーンなのである。

いったいここはどこで、自分はどうなったのか、ルリエにはさっぱりわからない。

辺りを見回していると、ブロンドの看護師が中へ入ってきた。看護師の服も帽子も、エメラルドグリーンである。

「あら、気がついたようね。よかった」

看護師はにっこり笑って、ルリエの手を握る。

「あの、わたし……」

「いいのよ。まだ無理しない方がいいわ。何しろあなたは、一週間もずっと眠り続けていたのですからね。今は安静第一よ。さあ、お食事にしましょうね。これを飲みなさい。栄養をつけて、早く元気にならないといけないわ」

看護師は、ベッドの横の机の上にコップを置いた。中には、エメラルド色をしたジュースが入っている。

「わたし、一週間も寝ていたの。それじゃ、あの……。何だったっけ? 何か大切な約束をしたような気がするのに思い出せない」

 

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