【前回記事を読む】来月東京から友達が信州に――しかし、肝心のホタルはまだ見つからない。そこでルリエは……こうしてさらに十五分ほど石の上を渡り歩いたり、浅い流れに入ったりして上っていった。さすがに息が切れて、石の上に腰を下ろして休む。ポチも長い舌を出して、息を荒くしている。冷たい風が吹いてきて、汗がスーッと引いていく。気持ちがよくなって、両足を流れにひたしたまま、石の上に仰向けになった。緑の梢を透…
[連載]エメラルド国物語
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小説『エメラルド国物語』【第4回】光川 星純
「ポチ、見て!」川岸で輝くホタルの光。夢中になって追いかけていると、足を滑らせてしまい、気づいた時には……。
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小説『エメラルド国物語』【第3回】光川 星純
来月東京から友達が信州に――しかし、肝心のホタルはまだ見つからない。そこでルリエは……
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小説『エメラルド国物語』【第2回】光川 星純
「ここはアルプスの雪解け水があるからな」おじいちゃんが自慢していた谷川の水が、去年の半分になっている。ホタルも全然いなくて…
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小説『エメラルド国物語』【新連載】光川 星純
夏休みは毎年、信州の祖父母の家で過ごしている。小さな停留所で降りると思わずスキップした。つい何時間か前まで大都会にいたのに…