最近、サッカーのJリーグは試合前のストレッチをしなくなりました。海外リーグや日本代表でも活躍した選手も書籍のなかで言及していましたが、代表ではストレッチをしているのが見つかったら罰金処分なのだそうです。
それでも、選手は隠れてホテルでストレッチをしているそうです。もうずっと習慣化しているから、やらないと気持ちが悪い選手もいるのでしょう。
日本代表はストレッチをやめて、ブラジル代表が行っている「ブラジル体操」をしています。試合前のウォーミングアップで選手がリズムに合わせてしている、あの奇妙な体操といえばわかりやすいでしょうか。
ジョギングやスキップをしつつ、リズミカルに手足を動かす体操で、効果は関節をほぐし、可動域を広げることで怪我の予防につながります。最初に「ストレッチ」を日本語で「伸ばす」と訳してしまったのが、ストレッチ信仰の誤解の始まりなのかもしれません。
伸ばしたところで体に良い変化は起こりません。伸ばしても元に戻ろうと縮んでしまうのです。試合前にストレッチすると、本番の試合では体が縮んだ状態でスタートしてしまいます。本末転倒です。
目的と目標を見極めて体を動かすのが大切
最初に提唱したボブ・アンダーソン氏は、明確に「伸ばすな」と言っています。氏はもともと体育大学の教授だったのですが、ストレッチのメソッドとして取り入れていたのは「ヨガ」なのです。氏が考えていた一番大事なことは、ヨガの「呼吸法」だったのです。
ヨガは深い呼吸を繰り返しながら、ゆっくり体を動かしてポーズを取っていきますが、呼吸は鼻から深く吸ってお腹を膨らませ、口から細く長く吐き切る腹式呼吸が基本です。
大量の酸素を体に取り込み、ゆっくり吐き出すことで体は緩むようになります。そのおかげで代謝アップや脂肪燃焼の促進、デトックスやリラックスなど心身にもさまざまな効果をもたらすと言われています。
ところが、日本人は息をずっと止め、顔をしかめてストレッチをやるようになりました。苦行ですね。それはやってはいけないことなのです。
そのうち日本では、「パートナーストレッチ」が出てきました。自分では動かせない部分を相手が押すのです。それをやって気持ちよく感じる人たちが一定数いるのも確かなのです。
激しいトレーニングや追い込みをやっている人のなかには、無理にでも体を伸ばされると、幸せホルモンと呼ばれるドーパミンが出る人たちがいるのです。
医学的な判断で体にいいかと聞かれると、ズバリ悪いです。ストレッチの大義名分は、体を動きやすくして怪我を少なくするというものでした。気持ちよく感じることではないのです。何のためにストレッチをやるのか―目的が間違っていれば、結果はまったく出ません。
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