【前回の記事を読む】俺は商品をバッグの中に入れていた。それなのに親父は俺を信じ、啖呵を切った。翌日、万引きした店に向かうと……

スクリーン ~永遠の序幕~

当然の再会

ここが香原弁護士事務所。有希はいるのだろうか。過ちを認め、またやり直したいと言ってくれるだろうか。不安と期待が混在する中、受付の方に案内され、応接室に入る。

「はじめまして。弁護士の香原巧博(よしひろ)と申します」

「はじめまして。今岡蒼斗です」有希はいない。

「どうぞお座りください」

香原弁護士は真面目そうな人で、心なしか安堵する。

「早速ですが、本件のことを泉有希さんに代わり陳謝いたします。同時に泉有希さんは心から反省しております。可能でしたら謝罪を受けていただき、被害弁償などをさせていただきたいのですが」

香原弁護士の対応は少し業務的だ。

「えーと、俺は法律はよく分からないのですが、示談とかにすると、それで有希は無罪になるのですか?」

「正直に申し上げますと、虚偽告訴罪は刑事責任になりますので、示談が成立しても無罪とはなりません。しかし、反省の態度を見せることは、量刑判断にあたってとても大事な事情となります。不起訴または執行猶予が付く余地がでます」

有希にまだ好意を抱いていると見透かされた気がする。しかし、もともと実刑になって欲しいなんて思ってもいない。

「示談でも構いません。それより有希に会いたいです。ちゃんと話がしたいんです」

釈放直後は、有希にとても会う気になれなかったが、今は落ち着いている。

「そうですか。分かりました」

香原弁護士の表情はどこか暗いようにも見える。