第二章 日常から

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「創。起きなさい、創」

「ん? 何お母さん」

創は目を覚ました。

「お客様よ。挨拶しなさい」

創「血を採るの?」

「違うわ。今回は。旅に出るのよ、これから」

創「えっ? えっ、えっ何処に行くの?」

ドアがノックされた。

「斉藤茜先生、入ってよろしいですか?」

斉藤茜「いいわ、今、鍵開けます」

まるで落語家のような格好をした老人が現れた。

江戸時代の衣服のような印象だ。

母さんはいつものように白衣だというのに。

「瑞希、おいで」

老人が言うとドアの影に隠れていた少女が駆け寄ってきた。

可愛い子だ。長いツインテールの髪を揺らしながら駆け寄って来た彼女は創を興味深そうに見ている。

「瑞希、この子が血液を頂いている創君だよ」

瑞希「ありがとう、助けてくれて」

創「???」

茜「早く着替えなさい。私も着替えてくるからこの子お願い」

創はベッドの横のハンガーラックからセーターとズボンとコートを取り出した。

窓から外を見ると寒そうだ。

ベッドに付いてるカーテンで囲むと着替えながら、

創「僕の血をどうしてたの? 僕は病気と思っていたけど……使えるの? 僕の血」

「世界中の人たちが創さんの血を欲しがりますよ。だから逃げるのです」

創「そういえば、おじさん誰?」

 

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母は、僕の腕から血を採ると、それをそのまま少女に注射した。「あなたは特別なのよ」―僕は…何者なの?

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