無肥料栽培を始めて十年程経った頃と思われるが、少し肥料をやったら、どうなるのだろうと突然思った。そこで、高度化成(12-8-10)を六月末に一反だけ二袋を投入してみた。二年間続けたが何の変化も感じなかった。
もう何年も肥料を施していないのだから、少しでも施せばよく効くと思ったのだが、そう単純ではなかった。このことは、何を意味しているのだろう。化学肥料には限界があることを意味しているのではないだろうか。
日本の農業は、これまで、窒素・リン酸・カリウム・カルシウム・マグネシウムそして微量要素等の無機成分を主な肥料として考えられてきたが、今では行きづまりの感がある。したがって、従来の理化学的要素に新しく微生物的要素を加える必要性を強く感じている。
化学肥料は、シャープに効き、必要な施肥量を数値化できるのでわかり易いが、特定の病気が発生する等の問題も起きるようになったような気がしている。
植物が栄養吸収する時、微生物に大きく依存していることはよく知られており、このことを基本に考え直す必要性があるようだ。微生物が土の中で頑張って有機物を分解して、植物に必要な成分を供給しているという事実をもっと掘り下げてみることだ。
そして土の中を想像してみると、化学肥料が、柿木に吸収されにくい状態で、溜っているのではないか。このまま無肥料栽培を続けても手づまりの状態になってしまいそうなので、微生物を利用して、土壌の改善を図りたいと思っている。
特に、リン酸は、実肥ということで柿の実の大きさに直接影響すると考えられ重要である。具体的な方法はわからないが、考え方は、次のようだと思っている。
一搬に、植物は土壌が富栄養であっても、根の発達や、根粒菌や菌根菌のような微生物との共生関係が抑制されることがある。逆に、栄養分が不足気味で、pHが適正範囲にあり、ミネラルバランスが整っていればしっかり根を張ると考えられる。
健全な根が発達し、根量が多くなれば根からの分泌物が増え共生微生物の活性が高まる。したがって、過剰な化学肥料によって、根の発達や菌根菌のような共生菌の活動を阻害しないように注意しなければならない。
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