当たり前だが食事は1日中1人で食べている。予想はしていたが、1人で食べるのがこんなに寂しく味気無いものとは。
想像以上のものだった。
生前には利恵子と一緒に食事をし、やれ今日は暑い、寒い、良い天気だ、何処か行こうか、等と無駄話をするのが如何に楽しい幸せな時間だったかをしみじみと感じる。
利恵子と私は映画、音楽等のセンスが驚く程似ていた。一緒に話していてとても楽しく幸せな気持ちになれた。
結婚生活45年、勿論色々なことがあったが。子供も一人出来、何とか二人で頑張って生活してきた。
利恵子にがんの症状が出たのは今から3年4ヶ月前、2022年の3月末だった。
「何か下腹がしくしくと痛いわ、そんなに酷くはないねんけどな」と言った。私は「食べ過ぎたんやろ、田中医院で薬貰って来たら」と言い、大して心配もしなかった。
利恵子は痛みが消えないので、田中医院に行って5日分の薬を処方して貰って帰って来た。
翌日「治ったわ」と笑顔で言った。
ところが、5日目位に「何かまだ痛いわ」と言う。「それはちょっとおかしい、田中医院で検査して貰え」と返す。
「大丈夫や、行かなくてもいいわ」
「あかん、あかん、大きな病気かも知れんから早く行って来い」
利恵子は翌日渋々田中医院へ行った。
取り敢えず血液検査をした。結果はまだ分からない。