俳句・短歌 短歌 自由律 2020.09.19 句集「曼珠沙華」より三句 句集 曼珠沙華 【第8回】 中津 篤明 「冬花火 亡び 行くもの 美しく」 儚く妖しくきらめく生と死、その刹那を自由律で詠う。 みずみずしさと退廃をあわせ持つ、自由律で生み出される188句。 86歳の著者が人生の集大成として編んだ渾身の俳句集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 華燭とて 陽をば 娶らん 石の蝶 愛して苦し 薄氷 かくも 割れやすき 胸の アーチの 朝は色あせ 雪女
エッセイ 『ある朝、突然手足が動かなくなった ギランバレー症候群闘病記[注目連載ピックアップ]』 【最終回】 市川 友子 殺し屋の看護師たちが私にのしかかっていた。とうとう腰の骨を折られて殺されると覚悟した。 幻覚と現実の交差注射器で毒を打たれそうになり、私は打たれまいと速い呼吸を繰り返していた。「落ち着いて、深呼吸して、ゆっくりと」看護師さんの顔が目の前に見えた。点滴の針を取り替えているところだ。それなのに殺人鬼扱いされたのでは、看護師さんもたまったものではない。私はラジオ局に助けを求めた。病院に監禁されている私と家族を助け出してくれと訴えた。しばらくすると大勢の人が病院を取り囲み、何人かが病院に侵…
小説 『薄紅色のいのちを抱いて』 【第13回】 野元 正 大腸がんの再検査で内視鏡検査が始まり、時どき止まる医師の手に恐怖する。数十分の検査にとても長い時間が過ぎたように感じた 【前回の記事を読む】肺がんと大腸がんの定期検診で健診結果が届き開けて見てみると…大腸がんは要再検査だった…夕子は目の前が真っ暗になった。(どうしよう? 桜ん園はどうしてもあと、十年続けたい。悠輔の夢を現実にしたいんや)「潜血があったというだけやん。がんと決まったわけじゃなし……」桜子は笑っているが、(死ぬかもしれない。歳やさかい、いつかは、とおもっとったけど、あと十年は生きたい)おもったよりだら…