多くのアンケート調査は無記名で年2~3回実施されます。その理由を国研は、最初に無記名式のアンケートを実施したら「いじめられた」との回答が見られため、被害者を探すために今度は記名式アンケートを実施したら、「いじめられた」とする回答はゼロになった。
それゆえに、無記名式アンケートこそがいじめの実態を正しく把握できると説明しています。しかし、それではいじめ発見の時期を逸したり、どの生徒が被害者か加害者か分かりません。
かつて勤務した小学校では1年生から6年生まで、月1回、記名で質問項目を設けずに何でも自由に書き込めるアンケート調査を行っていました。
回収したアンケートは、担任、学年主任、生徒指導主事、校長が目を通します。子どもたちのアンケートには、人間関係から掃除や給食活動までびっしりと悩みが書き込まれています。
たとえば給食活動で、「給食の食缶(調理済みの料理を保温しながら運搬するための容器)が重たい」「私はみんなに公平に配っているのに、『ぼくの分が少ない』とか『こんなにたくさん食べられない』と文句をいってくる子がいます」「掃除がいつも時間通りに終わらない」といった相談が寄せられました。
学校では実態を調査し、保護者に呼びかけて低学年の給食の配膳や掃除の手伝いをお願いしたところ、数多くの保護者が呼びかけにこたえ、エプロン持参でお手伝いに駆けつけました。
写真を拡大 図1 国立教育政策研究所「いじめ追跡調査」の質問内容