【前回の記事を読む】前を向いて、一歩踏み出す勇気をあなたに!——ポジティブな言葉が、ネガティブな思考や感情をそっと和らげるエッセイ本
読後ガイド 目標達成の6つの要因
各対談は、「目標を達成する人には、動機・性格・思考・態度・能力・行動の6つの要因において、共通する特性があるのではないか」という仮説のもとに行われました。
これら6つの要因は、それぞれが一冊の本になるほど奥深いテーマですが、ここでは要点のみを簡潔に説明します。
人間の内面に関わるテーマであるため、抽象的な用語が多く、少しわかり難く感じられるかもしれません。
とはいえ、インタビュアーである著者の視点を踏まえて読み返していただければ、『目標達成に不可欠な特性』を見出す手がかりになるはずです。
目標達成の要因 1 ──動機
一般には、動機とは「人間の行動を方向づけ、維持し、目標に向かって駆り立てる内的な過程」とされます。目標達成の観点からは、「〝こうありたい〟といった願望を生み出し、行動を促す内的な原動力」と言えるでしょう。
著者は特に、欲求・興味・価値観に着目し、目標達成人に共通する特性を明らかにしようと試みました。以下、それぞれの具体例を挙げてみます。中には、少し学術的な専門用語も出てきますが、「なんとなく、こういう要素かな?」とイメージするだけで十分です。
①欲求
生理的欲求、安全・安定欲求、愛・帰属欲求、自尊・承認欲求、自己実現欲求、自己超越欲求など
②興味
人間・社会志向、自然・生命志向、論理・分析志向、技術・構築志向、表現・芸術志向、起業・経営・影響志向、制度・組織運営志向、挑戦・体験志向、精神・哲学・内省志向など
③価値観
自己方向性、刺激、快楽、達成、権力、順応、伝統、安全、博愛、普遍主義など
※本分類は、Maslow, A. H.(1971)の欲求階層理論、 Holland, J. L.(1997)、Schein, E. H.(1978)、Peterson & Seligman(2004)によるキャリア理論・性格類型論、Schwartz, S. H.(1992、2012)の基本的価値観理論などを参考に、著者が「願望」に関わる動機に着目して独自に構成したものです。