また、白内障にまつわるよくある疑問に答え、誤解を解く「Q&A」、白内障とともに治療すべき眼の病気など、いくつか新たに加筆した項目もあります。
レンズの役割を果たしている水晶体の濁りは避けようがありませんが、白内障手術によって眼の機能を回復させることはできます。そうした意味で、白内障手術はいわば若さを取り戻すアンチエイジング医療でもあるのです。特に近視や乱視、老眼に悩んでいた方にとって多焦点眼内レンズは、眼鏡を不要にする究極のアンチエイジングアイテムといえるかもしれません。
私たちが五感(視覚・聴覚・嗅(きゅう)覚・味覚・触覚)を通じて得ている情報のうち、8割以上が視覚によるものとされています。何歳になっても眼はクリアに見えるに越したことはありません。体の諸機能が衰えてくる年齢だからこそ、むしろ視覚機能の重要性が増すといえるでしょう。
「見える」ことは豊かな人生の基礎となります。60代、70代になっても、まだまだ車を運転し、スポーツを楽しみ、映画やテレビを観て、新聞や本を心置きなく読める、そんなアクティブライフを心から楽しんでいただきたいと思います。
本書が、読者の皆様の「見る楽しみ」「眼鏡から解放される喜び」を実感すること、「豊かな人生」を送ることにつながりましたら、これにまさる喜びはありません。
柳津あおやま眼科クリニック院長 青山 勝